事前の問い合わせで「趣味は?」という所にうっかり「ガーデニング」と書いてしまったことが失敗だった。確かにボクにとって自分で作った自慢のテラスをお花で飾って楽しんでいる。ボクの人生の中でこんな風な時間と空間を持つことは初めてだった。だからどんなに忙しくても一日一回はテラスに出て空気を吸う。もちろん花にも水をやり、時には位置を変えてみたりする。しかし「ガーデニング」とはきっとそんな程度のものではないのだ。もっと専門的な方から見たらお笑いだろう。ただ植木鉢の花を並べただけなのだから。
 さっそくやってきたスタッフに「趣味はドライブに変えてくれませんか?」と言ってみる。スタッフは「いいですけど別にガーデニングでもいいんじゃないですか?」と言われる。一応前日にお花屋さんから買ってきた花で確かにテラスはにぎやかになってはいるが……。
 実際にカメラを回してみるとガーデニングも何も映っているのはジョウロとお花のアップだけ。これなら花を買ってテラス全体を飾る必要もなかった。それも何回もやりなおして同じ花に水をやる。「あのーこれならボクがジョウロを持たなくても分からないんじゃあ」と言ってみるが「やはり本人でないと」と言われる。 大昔に仕事で作った小学一年生の付録や手作りおもちゃなどを撮り、仕事場でのボクも撮り撮影終了。
 しかし、当たるとヨーロッパ9日間の旅がプレゼントのクイズの最後にボクの顔が出て「さて、この人は誰?」なんていう問題に一般の解答者が答えられるわけがない。その時は絶対にそう信じていた。ということでこの日の撮影は無事終了したのである。
 ところがオンエア当日、テレビを観ていたら、な、な、なんと正解を答えたのだ。「きむらゆういちさん」と解答者が答え、みごとヨーロッパへの旅をゲットしたのだ。ボクはオンエア中はその場面しか観なかったので、まさかとビックリした。しかしその後謎が解けた。ビデオをはじめからみてみると問題のヒントに映画のシーンや『あらしのよるに』「あかちゃん絵本」などボクの本が写っていて、たまたま一位になった解答者の職業は小学校の先生だったのだ。教科書にも載った『あらしのよるに』を観てボクの名前が判る可能性は実に高いはずと、あとから納得したわけである。(きむら)