池袋リブロのサイン会

ボクは今まで、店頭でのサイン会はあまりやらない。
芸能人でも有名人でもないボクが、いきなり書店の店先で
サインしますと、言ってもあまり人が来ないからである。

前にやった時、呼びかける声だけがムナシク響き渡り、
一人孤独にテーブルに座っている事の辛さを経験すると、
もう二度と嫌!と思ってしまう。
だから逆にそんな作家を見かけると、つい同情して、
読む気の無い本まで買ってしまう事もある。

今では講演会やイベントの後のサイン会だけと決めている。
それなら必ず沢山の人が並んでくれるからだ。
だから本当はこの日も人が来るのか、半信半疑だった。
ところがである。

行って見ると、もう人が沢山並んでいたのだ。それも列の最後に
“ここが最後尾です”という看板を持った人までいる。
まるでコンサートやMOMA展の様だ。思わずボクは
“今日何かあるんですか?”
と聞きそうになる位、自分の事だと思えない光景だった。
結局120人位の人が並んでくれて、サイン会終了。

その後、講談社の局長のおごりで中華を食べる。
それにしても、こういう後の食事は
本当に美味しく食べられるものだ。
(この記事は公式HPの「きむらのエッセイ」に掲載していたものです。)