2c19cb7d.jpg一週間前からずっと緊張していて、
それに加え時差ボケと寝不足での本番。
13:45分に黒塗りのハイヤーがお迎え。
運転手がさっと降りて来てドアを開けてくれる。

そこから新たな緊張が。到着してスタッフにも
「緊張してます、緊張してます、
まるで手術台に上がる前の様だ。」と連発していたら、
「痛くないから 大丈夫ですよ。」とディレクターに言われ、
付き添ってくれた講談社の担当者に
「麻酔でもかけましょうか?」と言われ、
いよいよ収録時間で控え室を出る。

スタジオに20人程の見物客がいるので、本番前にいつも
講演の時にやる緊張を解く儀式
(びっくりきりんと変身紙袋)をやってみる。
客や黒柳さんには受けたけど、やはり緊張変わらず。
40秒前・・・20秒・・・10秒、更に緊張度が増す。

黒柳さんが気を遣ってか、よくしゃべってくれて
ボクの口を出す間がない。
結局、「あらしのよるに」と「ごあいさつあそび・
いいこでねんねできるかな」を読み聞かせしてくれて、
ボクも少しは話したもののニコリともせず、本番終了。

気が付くとイタリア版「あらしのよるに」がテーブルの上に。
ああ、この本を紹介して、
「先週ボローニヤから帰って来たんですが、他に8カ国からも
出版を検討したいと申し出がありました。」と言うのを忘れた。
なんだか、他にもいっぱい言わなかった気がする。

後悔で落ち込むボクに
「良かった、良かった。」と言う黒柳さん。
かくして、この放送を見るのが怖いボクなのです。
やっぱりテレビは苦手だな。(木村)
(この記事は公式HPの「きむらのエッセイ」2002年4月23日のものです。)