2002年4月09〜19日

☆ボローニャ国際児童図書展(第一部)

ボローニャに行くのは久しぶりである。
数年前にある目的を持って行った時以来の来伊である。
その目的とは、世界征服!じゃなくて世界進出であった。

ある時、ロンドンの書店を覗いた時、
しかけ絵本が一番目立つ中央のワゴンに置かれていた。
その後、ローマでも、ミラノのでも、しかけ絵本が一番
目立つ所に沢山置かれていたのだ。
なんだ、しかけ絵本ブームは日本だけじゃなくて世界的なんだ。

ボクは日本でしかけ絵本の元祖と呼ばれたり、
第一人者とか言われたりしているが、
もちろんそこにボクの絵本は1冊も無い。
日本に海外のしかけ絵本は沢山入ってきているのに、
海外に出るしかけ絵本は無い。
あるのかもしれないけど、とりあえず知らない。
日本が貿易黒字だと言っても、少なくともここだけは
文化の貿易赤字だ。

作家としては勿論、世界の子供達に自分の本を読まれたい。
それもしかけ絵本の面白さは言葉ではない、
一目見れば分かる面白さだ。それは、世界共通じゃないか。
そう思ったボクは、真剣に海外のしかけ絵本を研究した。

海外のしかけ絵本には、いくつかの共通点がある。
1、それは合紙(厚紙)の本が殆どである。
2、表紙から穴が空いたりしていて、面白そうになっている。

しかしページをめくると、それ程ではないのだ。
表紙で見えていたのが、そのままあるだけなのだ。
ボクはそこに目を付けてみた。1,2をクリアした上で表紙を
めくると、表紙で見えていた物がちがう物だったら驚くはずだ。
そんな意外性のある絵本を作れば、きっと世界でも面白いと
思ってくれる。

ボローニャでその話をしたら、
S社の方が一緒にやろうと手を上げてくれた。
ボクは早速帰国すると、そのプランを作った。
翌年、そのラフを持ってボローニャへ、
S社の方と各国のブースへの売り込み。すると大好評、
“ベリーインタレスティング!パーフェクトコンセプト!!”
等と言われ、「ああ、今日まで生きてきて良かった。」
と幸せな気分になったのである。

早速日本で本描きを始める。タッチもヨーロッパ風にして
「かいじゅうだあ!」が完成、続いて「きょうりゅうだあ!」
「じどうしゃはどこ?」と三冊を出版。
画期的なしかけ絵本の完成だ。

ところがである。

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