きむらゆういちのアトリエ通信

『あらしのよるに』『あかちゃんのあそびえほん』シリーズの作家
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MOE 1月号のための対談

映画のナビゲーションDVDの撮影のため博多座に行く。和尚吉三役で出演している中村獅童の「三人吉三巴白浪」という歌舞伎を観て、その後西日本新聞の取材と撮影。そしていよいよ獅童との対談である。(つづく)
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 今は2006年1月2日である。やっと"とっくに過ぎてしまった締め切り"に追われ、毎日謝って過ごす日々から解放されたので、さあやっと映画化日誌にとりかかろうと思ってノートをみたら9月22日で止まっていた。
 今思うとずいぶん昔のことのようにも思える。映画のために出来ることはしようとおもって必死に駆け回っていた。まるで"あらし"のような日々がもうすでに懐かしい感じだ。
 自ら、一生で一番忙しい時と名づけてある期間ひとつのことに一所懸命になるのもそれはそれでいいものだ。もちろんその成果があってのことだが。
 とにかくボクはDVDのために博多座に向かった。簡単な打合せのあと、歌舞伎を観る。
 それにしてもすごい因縁だらけのストーリーだが結構おもしろい。主役の獅童さんもさすがにいい味出している。役者ってこんなにすごい役を演じるのに、一日2回、それも毎日続けるなんてとても信じられない体力と集中力だ。
 芝居が終わって獅童さんが準備をしている間に、ボクが博多座に入っていくカットの撮影をした。歩いてきて上を見て、さりげなくあたりを見回してから中に入っていくようにと指示される。
 これが結構むずかしい。こんなことを2回もやり直してやっとOKがでる。
 さて、いよいよ対談。
 長いすに2人で座って話すのだが右の階段の陰、廊下のつきあたり、左の壁と、あちこちにカメラクルーが潜んでいる。数十人の関係者にじっと見つめられながら、普段のように気楽にしゃべるなんて無理な話だ。
 そもそもこの中村獅童という役者はやたらに存在感がある。8月の製作発表の控え室でも彼が入ってきただけでみんながドキッとしたくらいだし、アフレコの時、一度エレベーターの中で彼と2人きりになったことがあるが、一瞬、何をしゃべろうかと冷や汗ものだったこともある。そんな彼とこれから小1時間、この状態でしゃべるのかとおもうだけで、緊張感で喉が渇いてしまう。
 『あらしのよるに』は見知らぬ相手と必死で共通点を探す会話をするところからはじまるのだが、我々の共通点て、いったい何だろう。
 目立たない少年がいろいろもがいて運よくやっと自分の作品がかけるようになったボクと、生まれながらにして歌舞伎役者として育った彼と、いったいどこに共通する世界があるのだろう。
 しかし聞くところによれば彼も歌舞伎役者とはいえ、"挑戦する"歌舞伎役者なのだ。
 型にはまらない歌舞伎役者、枠を超える歌舞伎役者ともいえる。そういう意味ではボクも絵本作家とはいえ、絵本だけでなく、その枠を壊すことをモットーとしている。そうか、共通点があるじゃないか。
 そう思っていると対談の時間がやってきた。
 いよいよスタートだ。ボクはいきなり彼にこう言った。「獅童さんて、世界で一番何を話していいか分からない相手です。」そしてこの言葉が対談の最後に、2人の共通点を見出したところで終わるというのがボクの予定だった。
 しかし対談の方向はあっちに飛び、こっちに飛び、予定通りではなかったがほぼイメージ通りに終える。
 なにしろ対談は相手がいるのだから予定通りにいかない。しかし、だからこそおもしろいわけである。
 対談中、彼は「男も女も初めに嫌な奴だとか、苦手とか思った奴のほうが不思議なことに後で付き合うと大親友になったり、長く続いたりするんですよね。」といったので、「奥様ともそうだったんですか?」と聞きたいのをグッと押さえたりした。
 彼は最後に「僕だって別に普通の男ですから友人と飲みに行ったり、普通の人と変わらないですよ。」なんて言い出しやっと気持ちもほぐれてきてかなり話しやすくなったなと思った時、対談が終わった。(きむら)

横浜タカシマヤ『あらしのよるに』映画化記念講演

白鴎女子短期大学元教授の松山とし子さんは、ボクの非常勤講師のきっかけを作ってくれた人だが、今回も松山さんから頼まれて高島屋での講演を引き受ける。講師紹介も松山さんがしてくれた。映画化記念講演ということもあり、絵本『あらしのよるに』の話に加えて映画化の裏話なども話す。
映画の前売り券を買って下さった方には小型の色紙にサインをしてプレゼントする。
その後最後に映画の公式ガイドブックの編集者やカメラマンも交えみんなで記念撮影をした。(きむら)

主題歌「スター」

今日はaikoのCDのトラックダウンがあるというので市谷へ行く。スタジオの2階に上がってみると3,4人の関係者の中に1人毛糸の帽子をかぶった小柄な女の子がいる。「げっ、aikoだ。」すごくさりげなく居たのでかえってビックリ。なかなか会えない人だと聞いていたので少し緊張。さっそく絵本を3冊取り出してサインをしてプレゼント。少しも気取ることなく喜んでもらえた。そこでさっと用意してきた色紙に「これにサインを!」と言うと、快く書いてくれた。まず娘に頼まれた色紙からボクの分まで。ボクの分を書いてくれた後「あて名は?」と聞かれたので「ボクです。」と言う。後で聞いたのだが彼女はあて名のないサインはしないそうだ。不特定多数の人にサインをしない決まりになっているそうだ。彼女というよりスタッフの方々が彼女の仕事に対してちゃんと考えすごく配慮しているのがわかった。ボクもなるほどと勉強になった。
それにしても彼女はどこも気取ることなく感じのよい普通の女の子ぽい。そこにとても好感が持てた。
(サイン色紙はこちら)
そしていよいよ主題歌を聞くことになった。全員でスタジオに入り、歌詞を渡される。音楽が始まる。曲の感想は主題歌のページに書いたが、曲が2度流れて、彼女がちょっと不安そうにやってきて「どうですか?」と聞いてきたのが印象的だった。ボクでも最初に原稿を人に読まれる時は緊張するのだが。ボクが「良かった。思わずゾクッときました。」というと彼女は嬉しそうに笑った。
(きむら)

劇団 俳協の「あらしのよるに」

劇団俳協の「あらしのよるに」を観に行く。この劇ではメイを男性でガブを女性が演じているのが面白い。特に後半で見せるオオカミたちの踊りがまた素晴らしい。終了後、本と映画の前売り券を買ってくださった方たちにサインをする。
(きむら)

オーケストラの音声収録

今日も60人のオーケストラが勢ぞろいだ。
気になるのは音楽担当の篠田さんがものすごく体調を崩していたこと。でも音楽は順調に進み、特にメインテーマのメロディがずっと頭に残るいい曲だった。(きむら)

BGMの録画 

映画音楽の録音だというのでアバコ・クリエイティブ・スタジオに向かった。ところが行ってみてびっくり。総勢60名のオーケストラがズラーっと勢ぞろいして演奏している。
一言で60名というが実際に見てみるとバイオリンだけで30人くらいが一斉に弾きはじめ管楽器も20人くらいが吹き、ハープやドラムやピアノ…そして指揮者が中央でタクトを振っている。映画のために作曲された曲が次々と流れてくる。あたり前といえばあたり前だが、見ると実に壮大なのだ。うーむ、映画ってすごい。
これも全てボクの原稿から出発しているとは信じられない。そんな気分になっていると監督がボクを呼んで「ホラッここが今メイがみどりの森を見つけたところの曲ですよ。」とモニターを見ながら説明してくれる。想像しただけで涙ぐんでしまいそうになる。やはり音楽の力ってすごい。
また監督がセリフを読みながら「ここの所です。」と説明を続ける。なるほど、なるほどとこの日のボクはただただうなづくしかなかった。
(きむら)

アフレコつづき 林家正蔵師匠

林家正蔵師匠の出番の日だ。タプの役である。山寺さんのバリーに並んで名脇役で固めたという感じだ。会うのははじめてなのだが、上手い人は仕事が早い。油断している間に終わってしまっていた。
この後、お天気予報士の森田さんだったが、時間に間に合わなくてお会いできなかった。
そして次はTBS系のアナウンサー6人。北海道、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡からやってきてくれた。
みんな一言づつだったが熱心に演じてくれた。
最後は声優さんが12人。男6人、女6人の構成なのだが、この映画は実に声優さんの出番が少ない。俳優やアナウンサー、落語家の方々が中心になっている。でも12人もの声優さんがガヤや小動物などしっかりとプロの仕事をしてくれた。これでやっとアフレコ終了。
(きむら)

早見優さんと市原悦子さんのアフレコ

今日は早見優さんと市原悦子さんのアフレコの日だ。早見さんとはこの4月にプリンスホテルのパークタワーのジャズバーで落成記念ライブを観にいって以来だ。その時はボクが花束を持っていったら、早見さんが「今日は先生のお誕生日でしたよね?」と言われて突然ステージで TIME FIVE がハッピー・バースデーを演奏してくれ、早見さんが歌ってくれたというサプライズがあった。その時彼女がこの映画に強く関心を持ってくれたという経緯で声優として登場することになった。これはどうしてもご挨拶に行かなくてはとかけつけると、「今終わったところです。」と言われる。さつそく早見さんと一緒にテープを聞く。うーん短いセリフだが、実にいい。子どもに話しかけるセリフに彼女のあたたかさが伝わってくる。それなのにオオカミのお母さん役なのだ。彼女のイメージだともっとかわいい役の方が良かったのだが、何しろこの映画はほとんど女性が登場しないので、若いガブのお母さんということになった。

次は市原悦子さんだ。彼女は昨年日本中で「市原悦子ショー あらしのよるに」でメイをやってくれたのが縁で今回参加してくれた。今回はメイのおばあちゃん役である。さすがベテラン女優の味。上手い人はセリフのないところの間合いまですごくいいのだ。これでまた一段とこの映画がひきしまると思った。彼女と記念写真を!というと「え?またあ〜」といわれた。舞台のときも入れるともう何回も一緒に写真を撮っていたのだった。

山寺さんのアフレコ

山寺さんのアフレコ
この日は声優界の大スター山寺宏一さんのアフレコである。
いやあ、さすがである。本当のプロの実力というか、実に見事だ。一回目のリハーサルから思わずうなってしまった。セリフを声を出して読む。--このこと事体だれにでもできると思うだろう。ところがそれが山寺さんがやると全然違うのである。そこがプロと素人の大きな違いなのだろう。彼が脇役をやってくれたおかげでこの映画が見事にしまるといっても過言ではないだろう。
実はこの日、ボクも自分のアフレコのやり直しだった。一応、いろんな声で少し練習をしておいた。しかし彼とアフレコをすることで実にやりやすい。イメージがつかみやすいのだ。前回は単独でボクの声だけ入れたのだが彼と一緒だともう少し上手くできた気がする。終わって録音ルームを出たら「前より10倍良かったよ。」と監督から言われた。
終わってから山寺さんと話をする。彼は「かいけつゾロリ」の声もやっているので友人の原ゆたかさんの話で盛り上がる。原さんもかならずアフレコに立ちあって、京子さん(原京子さんのこと)と一緒によく食事をするそうだ。そういえば彼も作者の声を入れているのだ。最近はお互い忙しくてなかなか会えなくなってしまった。
(きむら)

アフレコ その2

 この日はこのままスタジオに移動して獅童さんと成宮さん2人のかけ合いのアフレコどりがあるのだ。
 獅童さんの声はNHKできいているのでその上手さは知っていたが、成宮さんは聞いたことが無かった。どうだろうかと思って聞いてみると、これがまた上手い。思っていた以上にいい。僕がそういうと隣に座っているプロデューサーの1人が「人気と実力はイコールなんだね。」と言っていた。
(きむら)
きむらゆういち プロフィール
東京都生まれ。多摩美術大学卒業。
造形教育の指導、テレビ幼児番組のアイディアブレーンなどを経て、絵本・童話作家に。
元純心女子大学客員教授。


『あらしのよるに』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞、JR賞受賞。同舞台脚本で斎田喬戯曲賞受賞。同作品は映画化もされ、脚本を担当。同映画は「日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞」を受賞。

『オオカミのおうさま』(偕成社、絵・田島征三)で第15回日本絵本賞受賞。絵本・童話創作に加え、戯曲やコミックの原作・小説など広く活躍中。著書は600冊を超え、数々のロングセラーは国内外の子どもたちに読み継がれている。

作品に『あかちゃんのあそびえほんシリーズ』、『オオカミのおうさま』(偕成社)、『あらしのよるに』シリーズ、『風切る翼』、『よーするに医学絵本』(講談社)、『オオカミグーのはずかしいひみつ』(童心社)、『どうするどうするあなのなか』(福音館書店)、育児エッセイ『たいせつなものはみんな子どもたちが教えてくれた』(主婦の友社)などがある。

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<代表作>

『あらしのよるに』シリーズ




『あかちゃんのあそびえほん』シリーズ






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